ヨーロッパ留学体験記

私がどうしてアメリカではなくヨーロッパに留学に行ったかを綴っていこうと思う。医学と考えるとアメリカやドイツを思い浮かべる人も多い事だろう。私は将来的にスポーツ選手の医療を担う存在になりたいという目標がある。その目標を考えた時に、ヨーロッパ、特にイタリアではスポーツ医学が専門分野として発展してると聞いて驚いた。料理も好きということで、即決でイタリアに行こうと決心した。イタリアでは6週間の実習を行った。関わった多くの人に感謝している、またこれからも長い付き合いができたらと願っている。

isokinetic の教育センター長&スポーツ内科医の先生

【isokinetic medical center】

まず初めに、ロンドンとイタリアに8つの施設を構えるisokinetic medical centerで2週間実習をさせて頂いた。この施設は、主に怪我した後のリハビリをスポーツ内科の先生や理学療法士、カイロプラクターなどのチームでみる施設だ。リハビリはプールでの治療から始まり、ジム、グリーンルームを経て、本物のフィールドでテクニカルなトレーニングをして現場復帰するところまで含む。プレミアやセリエAの選手、オリンピック選手などのトップアスリートから普通のおじさんまでいる。先生はイタリアだけでなく、ギリシャやイギリスと多種多様であった。

私が驚いた点は3つある。

1つは、日本ではこのような選手の術後をケアする施設が確立されてないことだ。例えば、選手が前十字靭帯を損傷して、手術したとしても術後リハビリをするのはその病院でする事になる。リハビリ専用のプログラムが確立されてないのだ。

2つ目は、予防医学に対する姿勢だ。グリーンルームでは、非接触療法によるMAT testを駆使して、積極的に怪我を未然に防ぐ仕組みが確立されていた。このtestは論文で効果が立証されている。このtestはスポーツ損傷の王様ともいわれる前十字靭帯損傷の1次、2次の予防に大きく貢献している。ジムではisokinetic testもあり、選手がどのくらい機能が回復してたら、グリーンルームに進んでいいか、医学的根拠に基づいて管理されている。

MAT test体験

3つ目は、施設が充実している事だ。クリニックに併設されている天然芝のグランドが3面もある。セリエAのボローニャFCと併用している。最終リハビリではこのグランドを使用してテクニカルなトレーニングも含み、最終強度にまで持っていく。この最終リハビリではGPSが使用されており、選手の心機能や体調まで事細かくデータ化されている事にも驚いた。

最後に、このisokinetic medical groupは毎年FIFAと共同して国際会議を開催し、日頃の研究の成果を発表し合い、見識を深めている。世界中からスポーツ診療に携わるドクター、整形外科医、理学療法士が集まる。私も来年スペインで開かれる会議によんで頂いたので参加する予定だ。

【Institute orthopedic rizzoli】

4週間ほどボローニャにある整形外科専門病院でsports traumatologyの internshipを行わせて貰った。この病院はヨーロッパ最大規模の整形外科病院で、世界的にも有名な歴史ある整形外科病院だ。私は、ヨーロッパで有名な前十字靭帯再建術の名医である先生のもとで学ばしてもらった。留学で中国とスウェーデンから先生が来ていたり、スペイン人の先生が研修を受けにきていたりなど、流石有名病院だと感じた。手術件数も、日本とは比べものにならないくらい多くて、患者さんはイタリアだけでなく、他国からも集まる。脊髄腫瘍の分野が世界的に有名らしく、毎日のように希少な腫瘍のオペがあり、見学させて貰ったのも良い経験だ。スポーツ手術では、オスグッドや半月板縫合、外傷など定番のものを多く見させてもらった。

実習認定書とスポーツ医学の教科書を頂いたのも宝物になっている。

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